バーナンキ元FRB議長が語る米国経済の強み

バーナンキ元FRB議長が8日の講演で、米経済や金融行政の現状を語っているのでメモしておきます。

バーナンキ氏、リーマン危機「事態把握難しかった」
出所:日経 2014-10-09

  • 米経済は回復が進んでいる。長い間みられなかった持続可能な勢いがあるようにみえ、今後もこの傾向が続きそうだと楽観視している。社会保障の不備や教育、財政などに問題は残るがファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は底堅い。雇用も改善
  • 米経済は世界経済の原動力になっている。日本や欧州などと比べ、移民受け入れによる人口増や技術革新、起業家精神に対する支援体制などが強み。貧富の格差は避けられない問題とも言えるが、格差を乗り越える機会が人々に与えられているかも重要
  • 金融当局が相互に連携し、全体的に監視する体制に変わった。危機前は各当局がそれぞれの担当領域をみているだけで、全体像を把握している機関がなかった。今では事態を体系的にとらえるようになった。結果として金融システムも強固になった
  • 金融危機の真の問題は金融機関が「大きすぎてつぶせない」点にあった。金融規制改革法(ドッド・フランク法)ではこの問題に手を打つため、規模が大きい金融機関も問題が生じた場合は段階的に破綻処理できるよう体制を整えようとしている。これは重要な点だ。ドッド・フランク法と資本規制の組み合わせで、(規制強化は)正しい方向へ向かっている。
  • FRBは資産価格を様々な角度から精査しようと努力している。イエレン議長も言っているように、信用力の低い企業向けの融資や高利回り債券など、市場の一部には歴史的な(価格)水準から外れた水準に達している資産もある。だが株式や住宅など重要と位置づけられる資産は、歴史的な水準からは乖離していない

FOMC議事要旨(9月16~17日分)は総じてハト派よりとの見立て

FOMC議事要旨に対する市場の反応は、総じてまだハト派よりとの見立てによって、早期利上げ観測がやや後退、ドルが売られ、一方米国株は大幅高で終了しました。

出所:FRB
Minutes of the Federal Open Market Committee, September 16-17, 2014

同議事要旨では;

  • 世界的な景気減速が米国の見通しへのリスクであること
  • ドル高は輸出と成長へのリスクとして、足元のドル高に対する警戒感をFRBが持ち始めていること
  • 「相当な期間」の文言を残したことについては、(ゼロ金利を維持する)コミットメントと受け止められ(政策決定が)指標次第ではないと誤解される可能性があり、フォワードガイダンスの変更はデータ次第との見方が大半であり、次回のFOMCで変更(削除)される可能性を残していること

などが明らかになりました。

FRBがドル高への警戒感を持ち始めていることをうけて、ドルが売られ、ドル円は108.20円あたり、ユーロ円は137円後半、ユーロドルは1.27前半で推移しています。

トルコ経済の最大のリスクは?

国際通貨基金(IMF)がトルコ訪問後に、トルコ経済の最大のリスクを指摘、という記事をメモしておきます。
(これで今月の政策決定会合での利下げの可能性は後退?)

トルコ経済、新興市場への資金流入急減が最大リスク=IMF
出所:ロイター 2014-10-06

  • 国際通貨基金(IMF)は3日、トルコ経済にとっての最大のリスクは、新興市場への資金流入が急激に落ち込むことだと指摘。
  • IMFは代表団によるトルコ訪問後に出した声明で、同国の金融政策は現在5%のインフレ目標の達成に集中する必要があると強調。3日に発表されたデータでは、同国の9月の消費者物価の上昇率は前年同月比8.86%だった。前月よりも結構改善しましたけどね)
  • IMFはまた、トルコにとって基礎的財政黒字を増やすことが重要とし、金融財政の安定を維持するマクロプルーデンス政策を強化すべきだと訴えたトルコは財政規律が比較的維持できているという記事を先日紹介しました)
  • さらに、同国経済は緩やかなペースで成長を続け、2014年のGDPは前年比3%増になると予想。ただ、政策が変わらなければ、将来の経済のパフォーマンスは直近よりも弱まる可能性が高いと警告

トルコ中銀MPC、主要政策金利をすべて据え置き

トルコ中央銀行は25日、市場の予想通りすべての主要政策金利の据え置きを決定しました。
トルコリラ相場の目先の要素としては、10月3日発表予定のCPI(9月分)に注目が集まります。

出所:トルコ中銀(TCMB)
DECISION OF THE MONETARY POLICY COMMITTEE
2014-09-25

  • 1週間物レポ金利(One-week repo rate):8.25%
  • 翌日物貸出金利
    • 限界貸出金利(Marginal Funding Rate ):11.25%
    • プライマリーディーラーの翌日物借入金利(borrowing facilities provided for primary dealers via repo transactions):10.75%、
    • 通常翌日物借入金利(borrowing rate):7.50
    • その他
  • 輸出に支えられ長期的成長は適度な水準で持続中
  • 今年から開始したマクロプルデンス政策と金融引き締め政策は、コアインフレ率に適切なインパクトがある
  • 食料価格の上昇はインフレ見通しの改善を遅くしている一方で、コモディディ価格の下落はインフレリスクを低減させている
  • インフレ見通し、価格動向その他の要素は、詳細にモニタリングを実施し、顕著なインフレ改善となるまではフラットなイールドカーブを維持し金融引き締め政策を継続する
  • MPC議事録は5日以内に公表

RBNZ、通貨高牽制の声明を発表

ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が、「なぜNZドルは不当に評価され持続不可能か」という声明を発表。
ガッツリ長文の声明です。(日本では、不当な円高が長く続いた時代にこんな声明出したことありますかねえ。。)

Why the NZ exchange rate is unjustified and unsustainable
出所:RBNZ 2014-09-25

これを受けて、NZドル/ドルは昨年9月以来の0.8ドル割れ。NZドル/円も87円を切って200日線にタッチしています。
リーマンショック後、先進国通貨の中で最も先に(今年3月から)利上げを開始したのがNZドルです。ただし今月11日の理事会では、景況減速を受けて5会合ぶりに政策金利を据え置き。
(対円チャートでは円安のためにわかりづらいですが)対ドルのチャートを見ると分かる通り、7月上旬からNZドルは(乳製品価格の下落などを受けた)景気減速を織り込むかたちで、3か月以上延々と下落を続けています。むしろ最近は指標の改善が見えてきて、総選挙も与党が勝ち「年内利上げ再開か」というトーンでした。(今の時点でNZドルは高すぎる!と言われても、という気がします)
足元の景況感は徐々に上向くと予想しますので、(上に行くよりは)一度下落した方がトラリピ派には助かると思います。

【NZD/JPY:日足チャート】(黄色は200日移動平均です)
NZDJPYDaily_2014-09-25
【NZD/USD:日足チャート】
NZDUSDDaily_2014-09-25