中国貿易収支(8月)の分析

中国貿易収支、裏側を読み解く
出所:WSJ 2014-09-09

  • 中国海関総署(通関当局)が8日発表した8月の貿易収支では、同国の輸出が引き続き世界貿易のシェアを握っていることが明らかとなった。8月の輸出は前年同月比9.4%増、7月の伸びを下回ったが、世界全体の貿易のペースをはるかに上回る。IMFの今年の世界貿易の伸び率見積もりは4%
  • 世界的な技術サイクルの加速に加え、中国がより価値の高い品目にシフトしていることを受け、生産が押し上げられている。輸出の伸びはここ数カ月、貨物コンテナの処理能力を下回っている。これは、貿易統計が再び不正確な兆候の可能性もある一方、以前より高価値の品目がより小さく梱包され輸出されていることを示唆している可能性もある
  • 小型で高価値の商品を取り扱う中国最大級の貨物空港(香港、上海、北京、広州、深セン)では、航空貨物の出荷が堅調を維持。この傾向が続けば、香港の事実上のフラッグキャリアであるキャセイパシフィック航空など貨物輸送大手は恩恵を受ける
  • だが、輸出だけで中国の経済成長を支えることはできない。8月の輸入は前年同月比2.4%減と2カ月連続で減少し、国内経済が引き続き不安定であることを裏付け。主因は、統計で国内利用目的と分類される輸入品。マイクロチップのように加工して再輸出される輸入品は横ばい
  • 輸入減少の理由の一部は、鉄鉱石や石油などの輸入量が増加したにもかかわらず、ドル建ての商品価格が下落したことで説明がつく。問題は、こうした原材料がどこへ向かうか。不動産開発業者が新規プロジェクトの着工に及び腰となっているため、一部は政府出資の鉄道プロジェクトや他の刺激策に回っている。しかし、ここでも輸出が一定の役割を果たしている。鉄鉱石を原料とする鉄鋼の輸出は今年24%増加。原油を精製したディーゼルの輸出は35%増
  • 貿易統計を見る限り、中国経済が再び難局に直面しているとの見方は変わらない