新規国債の発行がゼロになるドイツから学ぶこと

日本では消費税の再利上げの議論が高まるなか、ユーロ圏の「一人勝ち国」ドイツは、歳入と歳出が国債発行無しで46年ぶりにバランスする、というニュースをメモしておきます。

消費税増税後の「買い控え」が長期化して先行き厳しい日本とは大きな違いですね。ドイツから学べる最も重要な基本は、「財政再建には歳出削減も重要だが、それ以上に歳入を多くすること、言い換えれば『持続的な経済成長』がより重要ということ。

ドイツが財政再建に成功した理由は? 日本が学べることはある?
出所:THE PAGE 2014-09-19

  • ドイツのショイブレ財務相は、ドイツ連邦議会において2015年度予算案について説明、その中で新規国債の発行がゼロになる見通しを公表。旧西ドイツ時代も含め新規国債がゼロとなるのは実に46年ぶり。ドイツは、欧州各国に財政を健全化するよう強く求めているが、自身がお手本を示した形
  • 2014年度におけるドイツ連邦政府の歳出見込みは約2965億ユーロ(約41兆円)、対して歳入は2898億ユーロ、歳入と歳出はほぼ均衡。これによって新規国債の発行をゼロにすることが可能
  • ドイツは、財政均衡を義務付ける法律を制定しており、財政に対しては厳しいスタンス。歳入のうち税収が占める割合は9割に達しており、借金に頼らずに財政を運営できる体制を整備
  • ドイツにおける政府債務のGDP比は、政府が保有する資産を差し引いた数値で約50%、米国が約80%、日本は約140%。一方、資産を差し引かない数値では、ドイツが約70%、米国が約100%、日本は約250%。ドイツや米国は連邦制のため単純比較はできないが、ドイツ政府の債務比率の低さは突出。日本は借金も多い代わりに資産も多いので問題ないという意見もあるが、少なくともドイツや米国との比較では当てはまらない。また日本政府が持つ資産は、流動性が低く、実質的な資産価値が低いものも多く含む
  • ドイツは基本的に緊縮財政を推し進めたことで財政再建を実現したが、緊縮だけが財政再建を実現できた理由ではない。ドイツは好調な経済が続いており、税収が伸びたことが財政再建の原動力。米国の財政も急激な改善を見せているが、これも好調な米国経済を背景に税収が増えたことが大きく影響。つまり財政再建には歳出削減も重要だが、それ以上に歳入を多くすることがより重要
  • 日本はこの20年間、経済成長がほとんどなく増税以外に税収を増やす手段が無かった(この間、先進諸外国のGDPは1.5倍から2倍に拡大)。今の状態では、政府が国際公約として掲げる2020年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化という目標は、消費税を10%にしても達成困難財政再建を実施するためには、持続的な経済成長を実現することが、何よりも重要
  • 税収は名目GDPと相関しており、経済成長すれば税収は増える。日本の名目GDPは97年がピークでそこから伸びておらずかつ法人税率も下がっている。持続的な経済成長こそが、持続可能な財政再建をもたらす。