豪経済は緩やかに改善中、ただし変動の大きい豪雇用統計の分析は困難

今朝発表の豪雇用統計に関するBloombergの分析記事をメモしておきます。
ここでも豪統計局のデータの信頼性が指摘されています。

9月の豪雇用者数は予想外の減少-金利据え置きの長期化示唆
出所:Bloombers 2014-10-09
オーストラリアの9月の雇用者数は予想に反して減少。政策金利が長期間、過去最低水準にとどまる可能性が示された。
9月の雇用者数 は前月比2万9700人減少。事前予想中央値は1万5500人の増加。統計局は8日、雇用統計の数値算出手法を見直すと発表していた。9月の失業率は6.1%
資源投資の鈍化に伴い成長格差の回避に努めるオーストラリア準備銀行(RBA)は、昨年政策金利を過去最低の2.5%に引き下げた後、金利安定の期間になるとの見通しを示してきた。しかしこのところ雇用データの変動が大きく、政策当局者やアナリストは豪経済の強さを把握するのが難しくなっている。
ムーディーズの分析:鉱業を除いて豪経済は緩やかに改善しているが、労働需要を意味ある程度まで押し上げるには不十分。先行指標は改善が近いことを示している。しかし最近、統計局が雇用調査に関して問題を抱えているため、データの過度の分析をしないよう慎重になっている

バーナンキ元FRB議長が語る米国経済の強み

バーナンキ元FRB議長が8日の講演で、米経済や金融行政の現状を語っているのでメモしておきます。

バーナンキ氏、リーマン危機「事態把握難しかった」
出所:日経 2014-10-09

  • 米経済は回復が進んでいる。長い間みられなかった持続可能な勢いがあるようにみえ、今後もこの傾向が続きそうだと楽観視している。社会保障の不備や教育、財政などに問題は残るがファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は底堅い。雇用も改善
  • 米経済は世界経済の原動力になっている。日本や欧州などと比べ、移民受け入れによる人口増や技術革新、起業家精神に対する支援体制などが強み。貧富の格差は避けられない問題とも言えるが、格差を乗り越える機会が人々に与えられているかも重要
  • 金融当局が相互に連携し、全体的に監視する体制に変わった。危機前は各当局がそれぞれの担当領域をみているだけで、全体像を把握している機関がなかった。今では事態を体系的にとらえるようになった。結果として金融システムも強固になった
  • 金融危機の真の問題は金融機関が「大きすぎてつぶせない」点にあった。金融規制改革法(ドッド・フランク法)ではこの問題に手を打つため、規模が大きい金融機関も問題が生じた場合は段階的に破綻処理できるよう体制を整えようとしている。これは重要な点だ。ドッド・フランク法と資本規制の組み合わせで、(規制強化は)正しい方向へ向かっている。
  • FRBは資産価格を様々な角度から精査しようと努力している。イエレン議長も言っているように、信用力の低い企業向けの融資や高利回り債券など、市場の一部には歴史的な(価格)水準から外れた水準に達している資産もある。だが株式や住宅など重要と位置づけられる資産は、歴史的な水準からは乖離していない

豪雇用統計(9月)は、就業者増加数▼29.7千人、前月分は大幅に下方修正

昨日の豪統計局の発表通り、オーストラリアの前回の就業者増加数は下方修正されました。
※修正前の数値+121千人から、+32千人への大幅な変更です。豪雇用統計はあまり信頼できませんねえ・・(苦笑)

豪雇用統計(9月)
就業者増加数:-29.7千人(前回:修正後+32.1千人)
失業率:6.1%(前回:修正後6.0%)

出所:豪統計局:Australian Bureau of Statistics
Australia’s unemployment rate increased to 6.1 per cent in September 2014
2014-10-09
AUD_UnemploymentRate_2014-09

FOMC議事要旨(9月16~17日分)は総じてハト派よりとの見立て

FOMC議事要旨に対する市場の反応は、総じてまだハト派よりとの見立てによって、早期利上げ観測がやや後退、ドルが売られ、一方米国株は大幅高で終了しました。

出所:FRB
Minutes of the Federal Open Market Committee, September 16-17, 2014

同議事要旨では;

  • 世界的な景気減速が米国の見通しへのリスクであること
  • ドル高は輸出と成長へのリスクとして、足元のドル高に対する警戒感をFRBが持ち始めていること
  • 「相当な期間」の文言を残したことについては、(ゼロ金利を維持する)コミットメントと受け止められ(政策決定が)指標次第ではないと誤解される可能性があり、フォワードガイダンスの変更はデータ次第との見方が大半であり、次回のFOMCで変更(削除)される可能性を残していること

などが明らかになりました。

FRBがドル高への警戒感を持ち始めていることをうけて、ドルが売られ、ドル円は108.20円あたり、ユーロ円は137円後半、ユーロドルは1.27前半で推移しています。

IMF世界経済見通し下方修正(米国の一人勝ち追認)で、今後の為替相場はどう動くか?

IMFの世界経済見通し下方修正で、昨日の欧米市場・今日の東京市場と、円売りポジションが巻き戻されていますが、今後の相場予測について、著名アナリスト豊島逸夫氏の日経のコラムをメモしておきます。

IMFショックで円107円台に上昇
出所:日経 2014/10/8

  • 7日発表のIMFによる2014年世界経済見通しで、日本経済成長率は1.6%から0.9%へ0.7ポイント下方修正ドイツも1.9%から1.4%へ0.5ポイント引き下げ。一方、米国は1.7%から2.2%へ0.5ポイントの上方修正中国経済は7.4%に据え置かれたが、市場ではチャイナリスクは依然強く意識されている
  • 米国経済の一人勝ちが追認されたことでドル高加速かと思えば、7日の欧米市場でドルインデックスは一時の86台突破から85.7台まで下落。ユーロ・ドルは1.26水準をはさみ、若干ながらユーロ高ドル安に転じている。円も一時107円台に円高が進行
  • ホットマネーはこれまで蓄積したユーロ売り・円売りポジションを抱え、買い戻しのタイミングを虎視眈々と狙っていた。そこに発表されたIMF経済見通し。これまでユーロ売りを誘発してきた「欧州デフレ懸念」が活字となり追認されたところで、市場の要因としては「ファクト」となり、陳腐化した。こうなると「噂で売ってニュースで買い戻す」という常とう手段の出番
  • さらにIMFの世界経済成長3.3%への減速予測はグローバルな成長懸念を高め、投機筋の円売りポジションを買い戻すキッカケも与えた
  • 対照的に、年金基金などのリアルマネーはIMF予測をドル買いのお墨付きとして受け止める。投機筋はチャートや先物市場の取組高で動くが、リアルマネーが動くにはこのお墨付きが必要。投機筋の動きは速いがリアルマネーの動きは遅い。しかもFX取引のようなレバレッジはかけないから、当座の市場への影響は薄い。しかし通年でみればジワリ、ボディーブローの如く効いてくる。15年に向けてドル買いトレンドは変わらない。リアルマネーのドル買いにより、より根強いトレンドとなろう。
  • 世界経済減速を正直に映す商品価格は下落が顕著。原油はブレントまでが90ドル大台の攻防となり、WTIとの値差も極端に縮小。金は生産コストを下回り1200ドルを割り込んだ。投機筋の買い戻しとインドの安値買いで若干反騰したものの、ドル高・欧州中国需要減退の地合いは変わらない。
  • 株価も不安定。米雇用統計大幅改善には素直に反応したが、世界景気減速・ドル高の米国市場への影響を測りかねている